研究室

Laboratories

都市水システム研究室

都市水システム研究室では、人口減少社会においても、都市の水インフラのアセットマネジメントをつうじて適切な施設の更新を促し、将来にわたって安全・安心な水を安定して供給するための研究に取り組んでいます。また、新しい水処理技術の開発や、気候変動による都市水システムの脆弱性評価など、都市の水問題の解決に向けた研究を推進しています。さらに国内および海外の水供給に 問題を抱える地域においては、水質調査や水利用状況の調査などの現地調査にも積極的に取り組んでいます。

都市衛生工学研究室

水系感染症は途上国の問題として捉えられがちですが、先進国においても十分に安全な水を供給することは容易でない状況です。水中の病原微生物は、水道及び下水道において、今なお重要な課題という認識のもと、都市衛生工学研究室では、水中のウイルスを中心に、水道、水環境、下水などを俯瞰して病原微生物の生活環を把握し、環境工学を通じて都市の微生物学的安全性を確立することを目指しています。

地域循環共生システム研究室

都市環境工学には、地球規模の環境や未来世代の持続可能性も視野に入れつつ、都市を環境の視点から再構築する広い視野が必要となります。地域循環共生システム研究室では、都市と地域における資源循環やエネルギーの流れとそれに伴う環境影響を明らかにしながら、 脱炭素や循環経済などの未来の目標に向けて、都市に蓄積された循環資源の活用、地域でのエネルギーマネジメントシステムを構築する研究に取り組んでいます。環境と人間社会が共生する都市の仕組みを科学的に考え、それを社会に実装する研究教育を進めています。

水環境制御研究室

水環境制御研究室では、都市水環境の制御に関わる多様かつ複合的な課題の解決に取り組んでいます。個々の問題は相互に関連しており、水道や下水道という人工的な水循環系との関わりのなかで水利用や水環境を総合的に捉えることが重要です。研究項目は、1) 都市における雨天時汚濁の解析と制御, 2) 都市雨水管理と浸水対策の高度化, 3) 水処理プロセスにおける微生物機能や給配水システムにおける微生物群集の管理, 4) 水利用を考慮した水環境中の未規制有機物の管理など多岐にわたっており、多角的な視点で研究する能力を醸成することを目指しています。

環境質リスク管理研究室

人間活動に起因する環境質(水質、大気質、土壌質)の劣化がもたらす様々なリスクを総合的に管理するためには、全体を俯瞰して把握する総合化能力とともに、リスクを正しく評価し、リスクを合理的に低減する技術開発が必須です。当研究室では、汚染土壌・底質の生態影響評価と浄化技術開発、都市排水水質管理技術開発、都市下水処理場のコンパクト化およびエネルギー・資源効率化に寄与する次世代メンブレンバイオリアクター等の革新的下水処理技術開発を進めています。

都市サステイナビリティ学研究室

都市サステイナビリティ学研究室は、都市のサステイナビリティを研究することを大きな目的としています。個人、都市、地域、地球などの様々なスケールを考え、実際の問題解決に資するような実践的な研究を行っています。そして、最終的には自然と共生する社会を構築することによって、持続可能性を実現し、人間の福利を向上させることを目指します。

社会生態システム研究室 * 学部のみ

微生物を用いての下水処理について、微生物の機能に関する研究や処理プロセスの評価を行いつつ、また、社会の持続可能性との関係からサステイナビリティ教育や技術システムの持続可能性の評価といったマクロな研究もおこなっています。当研究室は、組織上は新領域創成科学研究科に属し、柏キャンパスにあります。

下水道システムイノベーション研究室

これからの日本の下水道システムは水やエネルギーなどの地域資源の循環に貢献することが求められています。2020年4月に開設された下水道システムイノベーション研究室では、社会ニーズに対応した、下水処理水や汚泥等の再利用技術、省エネ技術、AI技術、新素材等を活用した新たな下水道システムの構築に向けた研究を行います。また、下水道システムを活用した地域振興、官民連携や水ビジネスについても研究することとします。

国際下水疫学研究室

下水疫学調査は、感染者から排出されたウイルス等の病原体が下水処理場に集積するという下水道インフラの特性をうまく活用した公衆衛生情報取得手段であり、感染症発生の早期検知と感染動向把握ためのツールとして社会的に期待と注目を集めています。2024年3月に発足した国際下水疫学研究室では、「下水疫学」という新たな学問分野を開拓するとともに、国内外での下水疫学調査の実装を通して感染症に強い社会の構築に貢献することを目指しています。