背景

都市で発生する一般廃棄物の管理において、乾きごみ(紙類やプラスチック類)と水分の多い生ごみは分別し、それぞれで最適な資源化を行うことが肝要である。生ごみの資源化ではコンポストという選択肢もあるが、需要と供給のマッチングがそう簡単ではないのが実情である。また、都市の中で発生する生ごみの収集の問題も大きい。都市の集合住宅等を適用対象とすると、水分の多い生ごみはディスポーザーを使用し下水系で収集し、その場でエネルギー回収する方法が有望である。マイクロタービン或いは家庭用燃料電池システムと組み合わせることが想定される。一方、メタン発酵を有効に活用するには下水中には有機物が不足しており、その意味でも生ごみを入れる意味が十分に生まれる。また水量が多く有機資源としては希薄すぎる雑排水と少量であるが濃厚なトイレ排水は分離して集めることができれば、さらに効率的となる。そのような目的に適したMBR開発を行っている。処理水は、親水空間用水、熱管理用水或いは地下水涵養に再生利用される。

研究項目

1)家庭排水処理における好気NF MBR開発
2)家庭排水と生ごみ処理における嫌気不織布・好気MF−MBRシステム開発
3)家庭排水と生ごみ処理における嫌気不織布・好気NF MBRシステム開発



------------ 1) 家庭排水処理における好気NF MBR開発 ----------

好気NF−MBRシステムの紹介



好気NF−MBRシステムの研究結果

好気NF−SMBRシステムによる下水処理を240日行い,以下の研究結果を得た。
* 最終処理水(NFろ過水)のDOCは0.5-2 mg/L
* 運転処理80日間NF膜による1価イオンの除去率は40-60%で,NF膜による2価イオンの除去率は70-90%であった。




------------ 2) 嫌気不織布・好気MF−MBRシステム開発 ----------

嫌気不織布・好気MF−MBRシステムの特徴

* 廉価の不織布を浸漬した新しい嫌気反応槽を開発
* 好気槽から生成する汚泥を嫌気槽へ返送して,システム内での汚泥処理を実現
* メタンガスをエネルギーとして回収可能

嫌気不織布・好気MF−MBRシステムの紹介



嫌気不織布・好気MF−MBRシステムの研究結果

嫌気不織布・好気MF−MBRシステムによる生ごみと家庭排水処理を1年以上行い,以下の研究結果を得た。
* 本システムは好気槽の汚泥を嫌気槽へ返送し,生成余剰汚泥の自己処理が可能であることを示した。
* 返送汚泥からのメタンガス回収も確認され,総投入CODの50%以上がメタンガスとして回収できた。
* システム最終処理水のTOC,CODは3 mg/L,6 mg/Lである。
* 長い間不織布モジュールは洗浄なして運転でき,本システムの長期間安全運転は証明された。



------------ 3) 嫌気不織布・好気NF−MBRシステム開発 ----------

嫌気不織布・好気NF−MBRシステムの特徴

* NF膜による高度処理とともに,最終処理水としてもっと優れたNFろ過水を得る
* 好気槽から生成する汚泥を嫌気槽へ返送して,システム内での汚泥処理
* メタンガスをエネルギーとして回収可能
* リン・窒素資源の回収を図れる

嫌気不織布・好気NF−MBRシステムの紹介